たるしるみちる

きものを着たとき、体に風が通り抜けていくあの感覚を、クーラーのない2011年の夏、思い出しました。つづく冬、絹の肌触りは、ほっこり暖かった。 それからのつたない針仕事は、毎日の楽しみになりました。

袷の着物から単衣に直しました。ついでに裄と前後巾も広げました。

明日は衣替え。
本来なら、明日から単衣の季節となるところですが、
このところ、ゴールデンウィークが明けたら夏日が続いたりで、
連休明けから単衣の着物を着ています。

普段着には、木綿か麻の着物が自宅で洗濯出来て便利と以前お伝えしましたが、、
絣木綿の場合目が積んでいて、雨模様の肌寒い日には”ほっこり”と温かいのですが、夏日には暑い!
その点、正絹の紬はさらりとして涼しいのです。

そこで、細身(標準?)の袷の紬を巾を出すついでに胴裏と八掛を外して単衣にしてしまいました。
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《作り方の手順》 裄と後幅、前幅を出す場合

1.袖を外して裏を取って、袖口はくけ、袖付け側はのばしてアイロンをかけておく。
 注:袖下が袋縫いではないので、縫い代の端を折って”くけ”て袋縫いにする。

2.衿裏の衿付け側を解いて、”表地”と”胴裏”と”地衿”と”掛衿”が一緒に縫っているうち
”表地”と”地衿”だけ仕付糸で綴じておいて、衿付けの地縫いを解く。
 注:掛衿だけ外して手入れできるよう地衿の上に後から縫い付けるために、ここで外しておく。

3.2で胴裏が外れたので、背中心、脇、衽と表地との綴じ糸を外し、衿下と裾の縫いも丁寧に解く。
 注:外した胴裏と八掛は再利用出来そうであれば、洗ってアイロンかけてとっておく。

4.脇縫いは解かず、巾出ししたい寸法(今回は前後各5分)で待ち針をして身八つ口まで縫う。
 注:”繰越し上げ”の部分は、新しい巾まで縫い足してくけておく。

5.古い脇縫いを解いて拡げ、霧吹いた別布を古い折筋のラインに沿って低温のアイロンでじんわりと押さえる。

6.新しい脇縫いを前身頃側に倒してキセをかけ、身八つ口から新しい肩幅(今回+5分)まで折ってアイロンで押さえる。

7.単衣を仕立てる時のように、
 7-1.背縫いは二度縫い若しくは背伏せでくるむ。
 7-2.脇縫いは”繰越し上げ”を三角に広げて裾から繰り越し上げまでは前身頃に倒してくけ、
     三角に広げた先は前身頃と後身頃にそれぞれくける。
 7-3.衽付けの縫い代は、衽側にくける。
 7-4.衿下と裾も三つ折りにしてぐるりとくける。

8.2で仮とじしていた地衿と身頃を縫い合わせ、裏衿を待ち針でとめてくける。
 注:袷の八掛生地の衿先はそのまま使用している。

9.掛衿を背中心から左右同寸法で、地衿に待ち針で留めてくける。

10.1の袖を新しい袖巾で折り、袖と身頃を中表に重ねて、袖側から肩山と袖山を合わせて待ち針で身頃側をすくい、袖付位置まで待ち針をして縫う。
 注:袖付けの縫い始めと縫い終わり、袖山(肩山)は5分ほど半返し縫いにする。

11.袖側にキセをかけて倒し、袖下からぐるりとくける。

12.前後の袖付位置、身八つ口(脇の縫い止まり)にかんぬき止めで補強する。

13.着物全体を裏返しアイロンをかける。表からは当て布をしてアイロンをかけて仕上げる。

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※ブルーの八掛を再利用したかったので衿先布を胴裏余り布で剥いでいます。

※袷のまま巾だしするより、単衣にしてしまう方がわかりやすく簡単です。縫い代をすべてくけるので時間はかかるのですが。。。
単衣の紬であれば正絹でも余り縮まないので自宅で洗濯することも可能ですが、念のため2で外した”掛衿”を試し洗いして縮まないか確認した方が安全です。


※単衣の縫い方はざっくり書いていますが、詳しくは、以下の2つの本がわかりやすく書いていると思います。

いちばんやさしい和裁の基本  いちばんやさしい和裁の基本 
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大変詳しく丁寧に説明していて、何度読んでも新しい発見がある内容の濃い本です。

はじめての和裁 DVDつき手習い帖
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付録DVDの説明がわかりやすく、順を追って見ていけば単衣の着物が出来上がります。
【 2017/05/31 】 手縫いでちくちく | TB(-) | CM(0)

単衣の銘仙の繰り回し(ちりよけ編)

今年の連休はお天気が良くて、新緑もまぶしくお出かけ日和です。


そろそろ単衣の準備をと衣装箱を開くと、単衣の銘仙が出てきました。
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紺と紫の色合いが好きで古着屋さんで買ったものの、随分と古いものなので生地が弱く着られずいました。
着物はお尻や脇に力が入るので、糸が切れた場合は縫いなおせばいいのですが、生地自体に力が入って裂けてしまうと修復困難になってしまいます。

生地が弱くてもうまく役に立つ方法はないかな?とずーっと考えていたのですが、今の季節に単衣の”はおりもの”があると便利だと思いつき、この着物を活用することにしました。

以前、古くなった浴衣やウールの着物を利用して作った”ひっぱり”についてまとめて書きましたが、これらは家の中で着るのが中心です。
今回は、絹の銘仙なので、少し丁寧に作って”ちりよけ”として紬や小紋の上に羽織る街着にしたいと思います。

着物を切るだけの簡単リフォームならほぼ一晩の夜なべ仕事で出来上がりますが、
今回はちょっと丁寧に、衿と袖を外して古い肩当を替え、裄を伸ばして、袖は捩り(もじり)袖にして、残り布で「付け帯」を作る予定です。
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※靖国神社のみたままつりで頂いたオレンジの手拭で明るく


《作り方の手順》 身丈4尺(152cm)の着物の場合

1.袖を外して一枚の布に戻す。長めだったので片袖3尺(110cm)が2枚

2.着物の裾から1尺8寸のところでぐるりと裁ち、”ちりよけ”側の裾を1寸折返して三つ折りくけ。
(出来上がり丈は2尺1寸(約80㎝)
注:裾から1尺8寸で裁ったのは、もじり袖の寸法=反物巾1尺+袖口4寸×2に合わせたためで、裾の折返し3分を縫い代にしました。(これをメートル法で説明するのはややこしい!)

3.断ち切った着物の裾部分を後身頃2枚、前身頃2枚、衽2枚にバラシて一枚の布に戻す。

4.後身頃で捩り袖を作る。

 4-1.反物巾で対角線に折る。
 4-2.残りを横半分に折って4-1の端を縫い合わせる。
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 4-3.袖を裏返し、袖付け寸法の位置で底を縫って接ぎの有る側に倒す。(振りなし袖付1尺の場合)
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 4-4.袖口を細く折り返してくける。
 4-5.出来上がり袖巾(9寸)に折ってアイロンをかけておく。

5.身頃の肩巾(9寸3分)で折り、肩山と袖山を合わせて袖付をぐるりと縫う。

6.掛衿が地衿と一緒に縫ってある場合は、掛衿部分の衿付の縫いを解く。ここで肩当も外す。(衿肩明など衿付の位置がずれないように、少しずつ解きながら、地衿と身頃を待ち針で押さえる。)

7.新しい肩当を6に当てて縫い直し、くけて閉じる。

8.6で外した掛衿から紐を作り、”ちりよけ”にとじつける。

出来上がりです。

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カビゴン体型では、普段着のうわっぱりとあまり変わらないのでがっかりです。
袖を外し、裾を裁ってバラバラにした時点で全部洗いましたが、縦も横も縮みませんでした。
平織の銘仙や紬は自分で手洗いしても大丈夫なようです。


※もう少し長い丈の方が良かったのかもしれませんが、「付け帯も!」と欲張ってしまいました。その制作は次回に。
【 2017/04/30 】 手縫いでちくちく | TB(-) | CM(0)

着物生活をちょっとゆるやかに

楚々とした着物姿にあこがれ、退職後の3年間、ほぼ毎日着物生活を続けてきました。

その甲斐あって、鏡がなくても手軽に着物を着られるようになりましたが、
緊張を失った身体は日々成長を続け、”楚々”とは対極の”肝っ玉母さん”体型に・・・・・

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イメージはカビゴン

さらに、この体重増加に運動不足が重なって、高血圧との診断を貰ってしまい
定期的な通院と日常的に有酸素運動が必須課題となりました。

はて、着物で通院?運動?は可能か?

昔は、みな着物で生活していたので不可能ではないと思いますが、
診察がある通院はまず無理、ジョギングをもんぺで??目立っ!

というわけで、着物生活をちょっとゆるやかにしたいと思います。
でも、家では着物がラクチンです。

スッキリ痩せて”楚々とした着物のばあば”になる!!
【 2017/03/31 】 きものLove | TB(-) | CM(0)

新宿御苑へ行ってきました

先週末、新宿へ出かけるついでに、新宿御苑へ寄ってみました。
半世紀近くになる東京生活にもかかわらず初めての訪問です。
梅の季節と入園料200円と格安なこともあって外国観光客とカメラマン男女で賑わっていました。

私の目的は、ポケモンgo❗

聖地と聞いて前から行ってみたかったのです。
妹に勧められて始めたポケモンgoですが、地味(地道)に続けて100種類ほどのポケモンを集めました。
でも、ポケモンもゲームをやってそうなお仲間もあまり居ません。
情報が古かったか〰(>_<)




苑内の見どころがゲームのポケストップになっていて、その案内を辿ってたっぷり楽しむことが出来ました。


※お天気が良くて梅日和


※お茶室も静かで落ち着きます。


御苑らしい菊と桐の落雁と内藤新宿名物の唐辛子をお土産に買って、しっかり観光客気分を満喫しました。

午後からは、本命の「麻のきもの・絹のきもの」(文化学園服飾博物館)展へ。


麻の栽培から苧績(おうみ)、繭から絹糸を取り出す製糸や、真綿を作って紡ぎ地機で実際に織る工程などを実際に映像で紹介されていて、学校の授業のような真面目な展示内容でしたが、気の遠くなるような手作業を繰り返して着物が作られていることを改めて知って、着物を慈しむきもちが一層強くなった展覧会でした。
【 2017/02/19 】 徒歩徒歩の記録 | TB(-) | CM(0)

結拾合(ゆいひろあい)は続くよ

モノを捨てずに居場所を確保したと前回お伝えしました。

「ただの片づけじゃない??」と笑われそうですが、私のなかに「居場所」を確保したことで困ったときの「ドラえもんポケット」を手に入れた気分になっています。

数年前に買って戸棚の奥に仕舞いっぱなしだった”湯たんぽ”が今年の冬は大活躍なのですが、カバーが薄く低温やけど防止にカバーを作ろうかと思っていました。
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そのとき!ピーン!
娘が生まれたときに義母が編んでくれた”おくるみ”が有ったと思い出し、湯たんぽをくるんでみたら、ちょっと大きいのですが、やわらかな暖かさになりました。
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※孫たちにはさすがに古くて出番はなし

おまけに、私の部屋は北向きで寒いのですが、机で作業をするときには、この湯たんぽをおくるみでくるんで足元に置くと膝まですっぽり包んでくれてぽかぽかと温まり、ストーブいらず!!
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身体だけではなくお財布にもあったか~いです。
プロフィール

柾女

Author:柾女
自己流のお裁縫でチクチク手縫いを日々楽しみ、”着物ライフ”をつつましく充実させたいと願っています。