夏用の補正 パート2

    最近は、6月以前でも気温が高い日には単衣を着る人も増えてきて、衣替えについて厳密に言われることもなくなってきました。
    私もゴールデンウィーク明けぐらいから汗ばむ陽気の日には単衣を着てしまいます。
    しっかり6月1日の衣替えを守っているのは、半衿だけ!
    塩瀬から絽の半衿に換えることで暦が表す季節を辛うじて守っていると自分を納得させています。
    絽の半衿は、夏も涼しく過ごせる「爽竹の長襦袢」につけて、半衿ごとジャブジャブ洗えるので手入れもラクチンです。

    これで本人は快適な着物生活でご満悦のはずだったのですが。。。。。

    おデブさんは薄い着物だと体型があらわになってしまうので、「夏こそ補正」が大事なんです。
    以前も、「夏に涼しい補正帯」として3年ほど前にご紹介したのですが、くたびれてきたので改良版を作ってみました。
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    といっても作り方はとっても簡単。薄くて長め(100cm~)のタオルにガーゼ(200cm~)を縫い合わせるだけ。
    ともに百均で調達しましたので、材料費は200円(+消費税)。
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    私は、胸もお腹も押さえるのが主目的なので、このままぐるぐる巻きでガーゼの先をちょいと挟み込むだけでいいのですが、
    ウエストの補正が必要な方は、2つに折ったタオルの中に麻のボディタオルとか挟むと涼しそうです。

    以前のバージョンよりずいぶん長~い帯なので、洗うときはネットに入れないと洗濯物をぐるぐる巻きにしちゃいそう。

    お太鼓柄の袋帯を中接ぎ加工しました

    かなり太めのわたしにとって、お太鼓柄の名古屋帯や袋帯を結ぶのには毎回苦労しています。
    以前は、全通柄や1丈(380㎝)くらいはある昔の丸帯を使って二重ではないお太鼓に結んでいましたが、お太鼓柄にはお洒落なものも多く、何とか着付けを工夫して、前柄を脇にずらして締めたりしています。

    その洒落袋帯は、全体の長さも1丈1尺2寸(430cm)あるので大丈夫だろうと買った帯でしたが、帯の前巾部分だけ50㎝ほど金箔の地模様になっていて、私が締めると境目が正面に来てしまうので購入してから一度も締められずにいました。

    「ダイエットして締めるぞとの決意もむなしく、ウエストは膨張し続けるばかり。
    螺鈿箔のエキゾチック袋帯で珍しく、とても気に入っていたので思い切って帯の途中に接ぎを入れて自分サイズに直すことにしました。

    帯を途中で切るのは嫌いなのですが。。。。
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    問題は、「帯の前半分の金縫箔の位置がずれること」と「二重太鼓にはちょっと寸法が足りないこと。」
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    お太鼓と前帯の柄の間に布を足す場合は、3寸ぐらいしか増やせないので、上記の図のように手先の体に隠れる部分で7寸増やすことにしました。
    帯地だけ切り帯芯は手先に足すことにして、接ぐ場所をずらします。
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    帯芯は、ゴロゴロしないように突き合わせにして「千鳥ぐけ」で縫い合わせ、接ぎ目を薄い接着テープで押さえます。
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    接ぎの帯地は、手持ちの黒繻子帯地の余り布を使いました。
    表と裏それぞれを細かい針目で縫い合わせて、縫い代はアイロンで割り押さえます。
    表の端の縫い代を帯芯に綴じ、裏の帯地を綴じつけてと合わせてくけると出来上がりです。
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    今回足し布した箇所は、黒地とラメ地の境目でうまく接ぐことが出来ました。
    六通袋帯の場合も柄地と無地の境目で接ぐと目立ちませんし、万が一痩せて元の寸法に戻した場合も跡がわからないのがお薦めです。
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    幾何学模様の臈纈染小紋と合わせて、個性的な感じになりました。
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    袷の着物から単衣に直しました。ついでに裄と前後巾も広げました。

    明日は衣替え。
    本来なら、明日から単衣の季節となるところですが、
    このところ、ゴールデンウィークが明けたら夏日が続いたりで、
    連休明けから単衣の着物を着ています。

    普段着には、木綿か麻の着物が自宅で洗濯出来て便利と以前お伝えしましたが、、
    絣木綿の場合目が積んでいて、雨模様の肌寒い日には”ほっこり”と温かいのですが、夏日には暑い!
    その点、正絹の紬はさらりとして涼しいのです。

    そこで、細身(標準?)の袷の紬を巾を出すついでに胴裏と八掛を外して単衣にしてしまいました。
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    《作り方の手順》 裄と後幅、前幅を出す場合

    1.袖を外して裏を取って、袖口はくけ、袖付け側はのばしてアイロンをかけておく。
     注:袖下が袋縫いではないので、縫い代の端を折って”くけ”て袋縫いにする。

    2.衿裏の衿付け側を解いて、”表地”と”胴裏”と”地衿”と”掛衿”が一緒に縫っているうち
    ”表地”と”地衿”だけ仕付糸で綴じておいて、衿付けの地縫いを解く。
     注:掛衿だけ外して手入れできるよう地衿の上に後から縫い付けるために、ここで外しておく。

    3.2で胴裏が外れたので、背中心、脇、衽と表地との綴じ糸を外し、衿下と裾の縫いも丁寧に解く。
     注:外した胴裏と八掛は再利用出来そうであれば、洗ってアイロンかけてとっておく。

    4.脇縫いは解かず、巾出ししたい寸法(今回は前後各5分)で待ち針をして身八つ口まで縫う。
     注:”繰越し上げ”の部分は、新しい巾まで縫い足してくけておく。

    5.古い脇縫いを解いて拡げ、霧吹いた別布を古い折筋のラインに沿って低温のアイロンでじんわりと押さえる。

    6.新しい脇縫いを前身頃側に倒してキセをかけ、身八つ口から新しい肩幅(今回+5分)まで折ってアイロンで押さえる。

    7.単衣を仕立てる時のように、
     7-1.背縫いは二度縫い若しくは背伏せでくるむ。
     7-2.脇縫いは”繰越し上げ”を三角に広げて裾から繰り越し上げまでは前身頃に倒してくけ、
         三角に広げた先は前身頃と後身頃にそれぞれくける。
     7-3.衽付けの縫い代は、衽側にくける。
     7-4.衿下と裾も三つ折りにしてぐるりとくける。

    8.2で仮とじしていた地衿と身頃を縫い合わせ、裏衿を待ち針でとめてくける。
     注:袷の八掛生地の衿先はそのまま使用している。

    9.掛衿を背中心から左右同寸法で、地衿に待ち針で留めてくける。

    10.1の袖を新しい袖巾で折り、袖と身頃を中表に重ねて、袖側から肩山と袖山を合わせて待ち針で身頃側をすくい、袖付位置まで待ち針をして縫う。
     注:袖付けの縫い始めと縫い終わり、袖山(肩山)は5分ほど半返し縫いにする。

    11.袖側にキセをかけて倒し、袖下からぐるりとくける。

    12.前後の袖付位置、身八つ口(脇の縫い止まり)にかんぬき止めで補強する。

    13.着物全体を裏返しアイロンをかける。表からは当て布をしてアイロンをかけて仕上げる。

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    ※ブルーの八掛を再利用したかったので衿先布を胴裏余り布で剥いでいます。

    ※袷のまま巾だしするより、単衣にしてしまう方がわかりやすく簡単です。縫い代をすべてくけるので時間はかかるのですが。。。
    単衣の紬であれば正絹でも余り縮まないので自宅で洗濯することも可能ですが、念のため2で外した”掛衿”を試し洗いして縮まないか確認した方が安全です。


    ※単衣の縫い方はざっくり書いていますが、詳しくは、以下の2つの本がわかりやすく書いていると思います。

    いちばんやさしい和裁の基本  いちばんやさしい和裁の基本 
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    大変詳しく丁寧に説明していて、何度読んでも新しい発見がある内容の濃い本です。

    はじめての和裁 DVDつき手習い帖
    hon1.jpg
    付録DVDの説明がわかりやすく、順を追って見ていけば単衣の着物が出来上がります。

    単衣の銘仙の繰り回し(ちりよけ編)

    今年の連休はお天気が良くて、新緑もまぶしくお出かけ日和です。


    そろそろ単衣の準備をと衣装箱を開くと、単衣の銘仙が出てきました。
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    紺と紫の色合いが好きで古着屋さんで買ったものの、随分と古いものなので生地が弱く着られずいました。
    着物はお尻や脇に力が入るので、糸が切れた場合は縫いなおせばいいのですが、生地自体に力が入って裂けてしまうと修復困難になってしまいます。

    生地が弱くてもうまく役に立つ方法はないかな?とずーっと考えていたのですが、今の季節に単衣の”はおりもの”があると便利だと思いつき、この着物を活用することにしました。

    以前、古くなった浴衣やウールの着物を利用して作った”ひっぱり”についてまとめて書きましたが、これらは家の中で着るのが中心です。
    今回は、絹の銘仙なので、少し丁寧に作って”ちりよけ”として紬や小紋の上に羽織る街着にしたいと思います。

    着物を切るだけの簡単リフォームならほぼ一晩の夜なべ仕事で出来上がりますが、
    今回はちょっと丁寧に、衿と袖を外して古い肩当を替え、裄を伸ばして、袖は捩り(もじり)袖にして、残り布で「付け帯」を作る予定です。
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    ※靖国神社のみたままつりで頂いたオレンジの手拭で明るく


    《作り方の手順》 身丈4尺(152cm)の着物の場合

    1.袖を外して一枚の布に戻す。長めだったので片袖3尺(110cm)が2枚

    2.着物の裾から1尺8寸のところでぐるりと裁ち、”ちりよけ”側の裾を1寸折返して三つ折りくけ。
    (出来上がり丈は2尺1寸(約80㎝)
    注:裾から1尺8寸で裁ったのは、もじり袖の寸法=反物巾1尺+袖口4寸×2に合わせたためで、裾の折返し3分を縫い代にしました。(これをメートル法で説明するのはややこしい!)

    3.断ち切った着物の裾部分を後身頃2枚、前身頃2枚、衽2枚にバラシて一枚の布に戻す。

    4.後身頃で捩り袖を作る。

     4-1.反物巾で対角線に折る。
     4-2.残りを横半分に折って4-1の端を縫い合わせる。
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     4-3.袖を裏返し、袖付け寸法の位置で底を縫って接ぎの有る側に倒す。(振りなし袖付1尺の場合)
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     4-4.袖口を細く折り返してくける。
     4-5.出来上がり袖巾(9寸)に折ってアイロンをかけておく。

    5.身頃の肩巾(9寸3分)で折り、肩山と袖山を合わせて袖付をぐるりと縫う。

    6.掛衿が地衿と一緒に縫ってある場合は、掛衿部分の衿付の縫いを解く。ここで肩当も外す。(衿肩明など衿付の位置がずれないように、少しずつ解きながら、地衿と身頃を待ち針で押さえる。)

    7.新しい肩当を6に当てて縫い直し、くけて閉じる。

    8.6で外した掛衿から紐を作り、”ちりよけ”にとじつける。

    出来上がりです。

    DSC_0439.jpg

    カビゴン体型では、普段着のうわっぱりとあまり変わらないのでがっかりです。
    袖を外し、裾を裁ってバラバラにした時点で全部洗いましたが、縦も横も縮みませんでした。
    平織の銘仙や紬は自分で手洗いしても大丈夫なようです。


    ※もう少し長い丈の方が良かったのかもしれませんが、「付け帯も!」と欲張ってしまいました。その制作は次回に。

    羽織のお直しはらくちん!

    羽織の丈は、戦前まではかなり長かったようですが、戦後、活動的な洋装の普及に対応してか短くなっています。

    母が小学校の入学式や卒業式に着てきた黒の絵羽織は、2尺(76cm)位のお尻が隠れるくらいの短い丈でした。
    普段に防寒で来ていた”茶羽織”は、座ったら畳に届く位のもっと短い丈で、袖丈も短く活動しやすい丈でしたが、
    家庭着の上っ張り(ひっぱり)よりは”きちんと感”があったように思います。
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    昭和38年発行の「和装と和裁百科」では、羽織丈は身長の半分と書いてあります。

    最近は、また、羽織丈は長いのが増えていて2尺6寸(1m)を超えるものも多く見受けられます。
    大正時代のレトロなスタイルへのあこがれもあると思いますが、今は、短い羽織丈だとちょっと野暮ったく見えてしまいます。
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    あこがれの「築地明石町」鏑木清方

    そこで、頂いた古い大島紬のアンサンブルの羽織の丈を伸ばしてみました。
    たて糸とよこ糸を一定の間隔で染めたもので、紗綾形を起こしたような模様で、木綿絣にもよく見られる柄です。
    大島紬では、締め機を使う以前からの模様で、秋名バラ柄と呼ばれています。
    これは、大柄で普段着用に織ったもののようですが、毎段たて糸と横糸の絣をきっちり合わせて丁寧に織られています。
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    <お直し手順>
    STEP1
    袖とマチを外す。
    衿は葉裏まで解き、表地を羽裏から外し裾を伸ばす。
    (ここで、見ごろも袖も折山にアイロンをかけて筋消し)
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    STEP2
    衿は折りかえし分ギリギリまで出して、新しい羽織丈を決める。(今回は2寸≒約8cm)
    前後の身ごろ(表地)を新しい羽織丈で折り返し、羽裏まで折り返し分が足りないのであまり布を足して接ぐ。
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    STEP3
    衿を縫い綴じつける。(羽織の衿は、反物巾を切らずに畳んで縫っているので畳み方に注意!)
    脇のマチも新しい丈に合わせて折り返し前後の身頃を挟んで綴じる。
    (羽織の身頃幅を広げたいときは、ここで広げる。)

    STEP4
    袖を身頃に縫い綴じる。(袖幅も変更可能)
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    出来上がりました。
    2寸(8cm)ほど伸ばしただけですが落ち着いた丈になりました。
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    羽織紐は、普段用なので共布で作った紐を縫い付けています。

    ※お直し前の短い丈と着比べた写真があると一目瞭然だったのですが、撮っていなくて残念!
    厚ぼったくないので、今の季節のお出かけに重宝しそうです。
    昭和30年~40年代に流行った短い羽織や道行は、古着屋でもとても安価で手に入ります。
    道行は、ミシンで縫ってあったり、縫い代も割って仕立てるので、直しが面倒なのに縫い代の筋が残りやすいのですが、
    羽織は、衿もまっすぐで前後身頃をマチを外せば丈も幅もかんたんに変更出来ますので、
    衿先にたっぷり縫い込みがあるものは、是非、自分で丈を伸ばして落ち着いた羽織に変身させてみてください。


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    柾女

    Author:柾女
    自己流のお裁縫でチクチク手縫いを日々楽しみ、”着物ライフ”をつつましく充実させたいと願っています。

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