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    続:染の着物と織の着物って?

    草や木の皮の繊維から織った布をまとうということからが織物の始まりとすると、
    染物のはじまりは、取り出した繊維を草花の汁に浸して色糸を作ったのでしょうか、
    それとも、織った布に草や花の汁をこすりつけたりして色を付けたのでしょうか。
    神さまや特別な人のために、珍しい色に染めることを競って工夫したであろう様子が思い浮かびました。

    こちらの呉服屋さんに古代の染めについて、大変興味深い記事が書かれています。

    今回は、多くの技法が存在する現代の染の種類と主な技法についてまとめてみました。

    ○先染めの種類と技法
    織物になる前の糸の段階で染めること。

    1)一綛(かせ)を全体染した色糸を組み合わせた織物
    ア.経糸や緯糸にだけ並べる縞
     
    イ.経糸緯糸に並べる格子
     
    ウ.経糸や緯糸を浮かせて模様を見せるすくい織や花織
     
    エ.2色を表裏に見せる風通織、道屯(ロートン)織など

    2)糸を部分的に染めるか部分的に防染して染める絣模様の織物
    ア.手括り
      手括りは、糸を整経し束ねられた糸を、木綿糸でしばり防染して浸染する技法。

    イ.機締め
      絣にしたい糸に対し木綿糸を上糸と下糸にして挟むように織り(締機)染料につけたあと、
      織を解いて出来た絣模様を合わせながら高機で織る技法

    ウ.板締め、櫛押し捺染
      糸の上下から線彫りした絣板で糸を挟み浸染した板締めや、
      櫛形の版木に溝彫りして染料をつけ整経した糸に押し染める櫛押し捺染

    エ.緯総絣(絵絣)
      筬(おさ)台で絵図に従って種糸を織って印をつけた絣糸を括る技法や、
      図案をもとにつくった木羽定規に合わせて絣糸を染める技法

    ○後染めの種類と技法
    後染めの技術が現存する裂として、正倉院宝物に残る古代(飛鳥・奈良時代)の染色技法に、蝋纈(ろうけち)、夾纈(きょうけち)、纐纈(こうけち)が残っている。
    詳しくは、こちらのきもの工房で書いておられます。

    現代の種類と技法の主なものは、以下の通り。

    1)ろうけつ染め
    溶かした蝋で絵を描き防染して染色した後、蝋を落とす。型押し、筆手書き、蝋たたきなどの技法がある。

    2)絞り染め
    白く残したい部分を糸で括ったり、縫い締めたり、板で強く挟んだりして防染する方法。
    鹿の子絞り、疋田絞り、木目絞り、手蜘蛛絞り、柳絞りなどの技法がある。

    3)手書き友禅
    糸目糊を使って白生地に絵画のように模様を描き染める方法で、 糸目糊が境界線となるため多彩な色での表現が可能。
    糊液で濡らした生地に染料液を含ませた絵筆で直接模様を描く「濡れ描き」は、伏せ糊をしない独特のぼかし染め。
    茶屋染は、麻の単で夏の衣装である帷子(かたびら)に用いられた染めの技法で、 糊防染によって御所解模様などを藍染めの濃淡で表現する。

    4)型染め
    ア.江戸小紋
    伊勢型紙の上に防染糊を置いて地色を引染めし、蒸し箱で色を定着させた後、糊を洗い落とす。
    イ.型友禅
    何枚もの型紙を使って、へらで写糊(色のついた糊)で染めて、蒸し箱で色を定着させた後、糊を洗い落とす。
    手描き友禅のような華やかな模様を量産できる。
    ウ.和更紗
    使用する色の型紙毎に刷毛で染料を刷りこんですべての模様を染め,蒸し器で色を定着させて流水で染料のあくを洗い落とす。 このあと、糊で模様を防染して地色を染める。
    型染めだけではなく、手書きや版木を使って染める場合もある。
    エ.紅型
    渋紙に型紙を彫り白生地に型紙をのせて糊を塗り防染する。
    防染後の白生地ににじみ止めの呉汁を塗り、6色(赤、黄、青、紫、緑、黒)の顔料で彩色(色挿し)した後、部分的にぼかす「隈取 り」を行い、模様を糊伏せして地色(染料)を刷毛で染色する。
    色止め液に浸し、蒸し箱で色を定着させた後、糊を洗い落とす。
    オ.長板中形
    長い板の上に生地を張って、型紙にへらで防染糊を表裏ぴったりに置き、地色を「浸け染」にする。(両面同板染)
    小紋より大きな柄の型紙を染めるのが名前の由来。
    カ.注染
    型紙にへらで防染糊を置き生地をたたむ。同じ模様の繰り返し分畳んだ上に、色毎に混ざらないように防染糊で堰を作り、色ごとに染料を注ぐ。布の真下からバキュームポンプで吸引することで、24枚~48枚の模様すべてに染料が染み透り両面が染まる。
    単色の「一色染」、色ごとに染める「差分染(さしわけ)」、複数の型紙で差分染を繰り返し細かい模様を染める「細川染」の3種の技法がある。

    5)版染め、シルクスクリーン製版
    木版や、型紙に紗貼り若しくは洋服地の染織に採用されている下絵を写真にとる写真型による捺染するシルクスクリーン染めという手法は、色数分だけ版が必要だが、作成方法が容易なため大量生産が可能。

    6)インクジェットプリント
    コンピュータに色の3原色別データ情報を記録して印刷するように染色する方法。模様のサイズや色数を容易に作成、変更できるため、最近は、振袖などの礼装から浴衣まで多く用いられる染色方法。

    その他に、撒糊、墨流しなど。

    前回に引き続き、文章だけの記事になってしまいましたが、染と織について調べてみると、着物だけにもかかわらず、その種類と技法の多さに改めて驚き、覚書としてまとめました。
    これからも新たにわかったことなどを拡充していきたいと思います。

    ※シンプルな
    織の着物=先染めの着物
    染の着物=後染めの着物
    が一番適切な表現だったんですね。

    プロフィール

    柾女

    Author:柾女
    自己流のお裁縫でチクチク手縫いを日々楽しみ、”着物ライフ”をつつましく充実させたいと願っています。

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