たるしるみちる

きものを着たとき、体に風が通り抜けていくあの感覚を、クーラーのない2011年の夏、思い出しました。つづく冬、絹の肌触りは、ほっこり暖かった。 それからのつたない針仕事は、毎日の楽しみになりました。

型紙なしでつくるベビー用甚平のパンツ

甚平のパンツは侮れません。

直線縫いの手縫いで簡単に出来る作品の第1号として「手ぬぐいで作る型紙なしのベビー用甚平」を選んだまでは良かったのですが、”型紙なしパンツ”の作り方が意外とむずかしい!!

おむつの上からでもゆったりとはけるパンツにしたいのですが、WEB公開されている「甚平のパンツ」でも、しっかり洋裁パンツの型紙を使っているところがほとんどです。

しかし、ここで”型紙なし”を諦めるのは、ちと悔しい!
これが朝ドラ「カーネーション」の小原糸子さんなら”立体裁断”!!
私も真似て、直接、はいてもらいながら作ることにしました。

★1回目試作品
古い浴衣の端切れを30×90cmに切って、パンツの型紙に似せて作ってみました。
大失敗!!
股上が少なすぎて、オムツをカバーできませんでした。(オムツなしのお兄ちゃんのズボンに”お上がり”になりました。)
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★2回目本番にチャレンジ
1回目の失敗で、ウエストの前下がりは、さほどなくても良いことがわかり、また、手ぬぐい1枚でズボンを作るには、横布で作ることになるのですが、幅が30cmと決まっているので股上をたっぷり取るために、股下をう~んと少なくすることにしました。
今回も、畳んで裁っていきます。
①外表(模様が見えるよう)に、手ぬぐいの長い方を半分に折ります。さらに、その半分に折ります。(1/4になり、表の模様が見える状態です。
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②輪になっていない方の下を、3.5cmの三角に裁ちます。(股下部分)
③上は3.5mで。②のカットした頂点に向かって、細長い三角に裁ちます。
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&&&&& ちょっとわき道 「一寸について」&&&&&
甚平上着のえり肩明きの切り込みも、↑のパンツの切り込みも「3.5cm」という中途半端なサイズが出てきますが、これは、昔の「尺貫法」という長さの単位に関係しています。
きものの各部署の単位は、メートル法で表現するとわかりにくいのですが、『寸』や『尺』で表すととてもわかりやすく覚えやすい単位になります。ちなみに、手ぬぐいは8寸(30.4cm)です。
ゆかたなどに書いてあるきもの寸法(並)は、
尺貫法   身丈 4尺3寸、裄丈 1尺8寸、袖丈 1尺3寸、後幅 8寸、前幅 6寸
メートル法 身丈163.4cm、裄丈68.4cm、袖丈49.4cm、後幅30.4cm、前幅22.8cm

メートル法の表記では中途半端なサイズですが、尺貫法だと、区切りよく覚えやすいのです。
※この尺貫法の単位で、裁断していくと、きもの、帯、羽織、布団などもすっきりと作ることが出来ます。
そこで、この甚平も尺貫法を頭に入れて作っています。
「一寸」は、メートルに換算すると約3.8cmですが、細かく厳密なサイズにとらわれているようで『いいかげんでできる』の主旨に反する気がして、ここでは縫い代除いて3.5㎝としていますが、本当は「一寸」と表記したいところです。

着物をたたんですっきり仕舞えるのは箪笥のサイズも合っているからで、衣装ケースのサイズが中途半端に思えたのに、尺貫法が、住まいにも着る物にもぴったりの合理的なサイズだとわかり日本ってすごい!と改めて思いました。
大好きなアンティーク家具屋さんのブログで、「しまう」と寸法についてわかりやすく書いてありましたので、ご紹介します。第12~13話 「しまう」生活世田谷区北沢の「山本商店」のホームページより
&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&



裁つのは、これだけです。
あとは、仮縫いのように手縫いでチクチク縫って、補正しながら仕上げることにします。

④上2枚を外表で、股上部分を縫い合わせます。下2枚も同様に縫い合わせます。
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⑤大きな輪になったところで、それぞれの股上の縫ったところを合わせて、股下を右足から左足に、縫い代を多め(1cm)に、通しで荒く縫っていきます。(仮あわせのあと、ほどきますので、袋縫い分も含んでいます。)

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⑥ウエストは、3cmほど折り返し、ざくざくと粗く縫います。(⑤と⑥は解きますので、思いっきり粗くてOKです。)
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⑦ウエストにゴムを緩く入れます。
(1回目の試作品を履いたとき、ゴムがきつくて思いっきり厭がられてしまったので、「きつく締めつけないパンツのゴム」というのを買ってきました。)
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ここで、縫い代が表に見える状態で、オムツをつけたモデル(孫)に履いて貰い、ウエストの位置やヒップや股下のゆとりを確認します。(ここで、仮縫いのようにまち針などを使ってはいけません。)
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⑧「股上の深さ」、「前下がり」、「股下のゆとり」の3カ所を確認して脱がせます。(胴回りは80cmくらいはありますが、窮屈そうなときは、手ぬぐい一枚で作るのは無理なようです。)

孫が帰ってから、仕上げ縫いです。
⑨ウエストは、「股上の深さ」と「前下がり」を手直しして、まち針を打ち⑥の糸を解きます。

股上④部分を袋縫いにするために、股下⑤も解きます。

⑩ひっくり返して中表にして、股上を、少し細かい目で「返しぐしぬい」(並み縫いの3~5め毎に返しぬい)で縫っていきます。
左右袋縫いができあがり。
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外表もどして、股下を合わせて、端から2mm位の縫い代で、⑤のように右足から左足へと通しで並み縫いで縫います。ここでは、先に縫った股上部分は重ならないように左右に分けて倒します。
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⑫中表にひっくり返して、ここは、補強したいところなので、半返し縫い(一針縫ったら半目戻る)で股下も袋縫いにします。⑪で左右に倒した股上がわかれています。
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⑬ウエストの折り返し、前下がりを確認して、端を折り込み、際から2mmほど内側を、、半返し縫いで縫います。(縫い始めと縫い終わりは返し縫いをして、1cmほどのゴム通し部分を残します。)

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⑭ゴムを通して出来上がり。(ゴムはゆったりめに)
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この「ベビー用じんべい」は、型紙なしで作ろうとこだわった為に試行錯誤で時間がかかってしまいました。
次回は、「5分で出来る簡単半えりの付け方」をご紹介します。



関連記事
【 2012/07/29 】 手縫いでちくちく | TB(0) | CM(5)
作りました!
初めまして(°ω°)
はなと申します
甚平のパンツを、ここを参考に作らせていただきました
その過程をブログに載せる際に、参考にしたサイトとしてここのリンクを貼りたいのですがよろしいでしょうか?
サイズを変更しているうえ、ミシン縫いですが…><
よろしくお願いします
【 2015/06/15 】 編集
コメントありがとうございます。
つたないブログですが、参考にしていただいてうれしいです。
リンクしていただければこちらも光栄です。
はなさんのサイトも拝見しました。
麻ひもの帽子素敵ですね。
着物に似合う帽子を作ってみたいです。
【 2015/06/16 】 編集
こんにちは。みずほしいと申します。
私もこちらのサイトを参考につくりました。
本当に助かりました!ブログにこちらをリンクしてもよろしいですか?
できるだけ布を切らないで作るというのも、気に入っています。
よろしくお願いいたします。
【 2016/07/17 】 編集
参考にしていただいて光栄です。
みずほしいさんのブログを拝見すると、
素敵な夏のパンツをたくさん作っておられてうれしくなりました。
実は、私も孫の保育園用ズボンをこの作り方で量産しました。
材料は、手ぬぐいだけでなく、古い浴衣だけでなく、
娘の3段ギャザーのロングスカートからは、
切り替え付きのフレアキュロットも縫い方は同じで簡単に出来ます。
リンクして頂ければこちらもとても嬉しいです。
【 2016/07/17 】 編集
柾女さま
早速のお返事ありがとうございます!
古い浴衣ですか、いいですね。やってみよう…
ここ最近、母の古い着物をほどいて自分用のスカートを作ろうかと格闘しております。今後もよろしくお願いいたします。
【 2016/07/17 】 編集
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プロフィール

柾女

Author:柾女
自己流のお裁縫でチクチク手縫いを日々楽しみ、”着物ライフ”をつつましく充実させたいと願っています。